値引きについて考える

理念か?利益か?


「道徳なき経済は害悪である
 経済なき道徳は寝言である」

これは二宮尊徳(二宮金次郎)氏の言葉とされていますが、色々と調べていると直接的には尊徳さんは言っていないそうで、内村鑑三氏が意訳したものである、との説もあるようです。

さて、この話、事業において「利益」を重視するか「理念」を重視するか、と言う点での議論に当てはまりそうです。

よく、「ビジョンの実現を優先するのか?それとも売上を優先するのか?どっちが大事なのか?」と言う発言が組織の中で出てくることがあるかと思います。

結論としては、どっちも大事だし、両立しなきゃダメだろ!という話ですし、そもそも「or」の思考ではなく「and」の思考で考えなければいけません。


実際に私たちの組織で、このような事は過去にありました。


一般社員だけならまだしも、マネージャークラスからこのような発言が出てくると、やや危険信号かな、と言う気がします。

成果を出せないことを責任転嫁しているからです。


また、成果を出すためなら、ズルやウソ、だし抜き、などが横行し、最悪のケースでは犯罪を犯す可能性も出てきます。


ビジョン、理念、志という、目に見えないものを唯一可視化することができるのがオカネと言うことになり、事業を成立させるにはオカネがどうしても必要になります。

これはライフワーク(心が満たされる仕事)とライスワーク(腹を満たす=食べていくための仕事)の関係性と同じといえます。

創業間も無い頃などは現実的な売上が全く立たず、志と希望だけでなんとか霞を食って生きることもありますが、そんなことを長く続ける事はできません。

これではサスティナブルでは無いのです。

つまり、利益と理念は「どちらも並行して追わなければならない」と言うことになります。

値引の種類には2通りある


そんなわけで、事業成立のためには利益が必要なわけだけども、利益を簡単に無にしてしまう方法がある。

それは「値引」です


値引にはふた通りあって、
ひとつ目は「定価を値下げして売ること」。
これはいわゆる普通の値引だと認識しやすいと思います。

もうひとつは「価格以上の過剰なサービスを提供すること」です。


例えば「1時間あたり定価1,000円の肩たたき券」のサービスがあったとする。
(※もちろん、この肩たたきサービスには付帯して他のセットメニューが含まれていることもあるだろうが、ここではシンプルに例示したいので「肩たたきしか提供しない」ものであると仮定する。)

この場合のサービス提供範囲は「1時間分の肩たたき」であって、ついでに腰を叩いてあげたり、足を叩いてあげたり、ましてや勝手に2時間コースにしてはならないわけです。


時間分の肩たたき券を買ったお客様に、気を利かせて腰や足を叩いてあげたり、時間を延長してサービスしてしまう。


一見、顧客満足度を高める行為のように思えますが、これは「過剰なサービス」であり、もう一つの値引きに他なりません。


なぜなら、本来1時間で1,000円のところを、2時間サービスしてしまったら、実質500円で提供したことになってしまうからです。サービスの価値を自ら下げてしまっていることに気づかなければなりません。


もちろん、顧客満足度を高めることは重要です。

しかし、それは「価格以上の価値を提供すること」であって、「価格以上のサービスを提供すること」とは異なります。


例えば、肩たたき券を購入したお客様に、アロマを焚いたり、リラックスできる音楽をかけたり、肩たたき後の冷たいおしぼりなどのサービスを提供することで、顧客満足度を高めることは可能です。


しかし、これらのサービスはあくまで「付加価値」であり、「価格以上のサービス」ではありません。


価格以上のサービスを提供してしまうと、顧客はそれを当然のことと捉え、次回以降も同様のサービスを期待するようになります。


そうなると、さらなるサービスの提供を迫られ、最終的には利益を圧迫する悪循環に陥ってしまいます。


値引きは、顧客を獲得するための有効な手段ではありますが、同時に利益を損なう危険性も孕んでいます。


安易な値引きに頼るのではなく、顧客に「価格以上の価値」を提供することで、長期的な関係を築き、安定した利益を確保していくことが重要です。


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